ブライダルインナーの新たな展開
バブル期には「ハウスマヌカン」と呼ばれるカリスマ店員がもてはやされ、女性の間でMクスマーラやLルフローレンなど、高級ブランドの洋服が売れに売れた。
でも90年代にバブルがはじけると、ブランドやアパレルも大打撃を食らった。とくにアパレルメーカーは焦った。
団塊ジュニア以降の世代(いまの20代)は、人口も減る一方。このまま女性客にだけ目を向けていたのでは、市場は先細っていくばかりだ。
この先どうすべきか……。悩んだ末に本格展開を始めたのが、80年代に頭角を現していたメンスライン。
そこから派生したのが、90年代後半に誕生した、かつての「Bーバリー・ブラックレーベル」(S陽商会)や「Cムサーコレクション」(Fイブフォックス)などのメンスブランドだった。バブル崩壊で崩れた、「高いモノはいい」という高級神話。
代わって「高けりやいいってもんじゃないよね」という価値観が世に広がると、レアものと呼ばれる希少価値が高い商品も人気を博すようになった。代表的なのは、スニーカーの「Nイキーエアマックス」と腕時計の「CシオGショック」。
いずれも″限定販売″などで手に入れるのがひと苦労だったが、一方で値段は2万円前後と比較的手ごろなモノが多かった。これなら、10代の若者でも手が出せる。
相前後して起こったストリート系の「裏原(裏原宿)ブーム」(97年〜)と相撲って、男子高校生の間でも、裏原のセレクトショップやレアなフアツションアイテムが一挙に話題を呼んだわけだ。
それは90年代後半、渋谷で取材した男子高校生達。当時は″Kムタク眉(Kムタクを真似たオシヤレな眉毛)″が流行っていて、資生堂のジェレイド(現Uーノに統合)の「眉毛コーム(クシ)」が、男子高校生に飛ぶように売れていた。
そこで彼らの実態を知ろうと、SHIBUYA109の前に出向いたのだ。すると彼らのうち、およそ3割が言った。
「カノジヨに眉毛を手入れしてもらったことがある」と。「男は女をエスコートすべき」といった価値観が身についたバブル世代の私にとっては、信じられないこと。
でも彼らは、何のてらいもなくカノジヨに「やってもらってます」と答えたのだ。考えてみれば、あれが約10年前の出来事。
当時の高校生が、いまの20代半ば〜後半にあたるわけだ。その後メンズコスメは、ドラッグストアやコンビニなど販路の増進に連れて一挙に市場を拡大。
いまや330億円市場にまで達している(07年インテージ「メンスビューティー市場の動向」)。
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